ものづくりに上手い下手の物差しは必要ない

ものづくりに果たして上手い下手は関係あるのでしょうか。そもそも何を基準に上手い下手が判断できるのでしょう。工業的なものづくりばかりが人を幸せにするとは限りません。今回は上手い下手という基準が必要ない、より人間的なものづくりについて考えてみたいと思います。

 

より人間的なものづくりとは何か

今あるモノは人間が長い歴史の中で作ってきたものです。もともと人の手で作っていたものは、だんだん道具を使って作る様になり、生産性を上げるために道具が機械になっていきました。生産性が上がって安くたくさん作れる様になると、多くの人に受け入れられる商品をいかに安く販売するかに注力される様になりました。

今後は機械でできることの範囲がもっともっと広くなって、ものづくりに関わる人はもしかしたら減っていくのかもしれません。そんな時代だからこそ改めて人間的なものづくりについて考えてみたくなりました。

 

ファッションを学んで気がついたこと

私はファッションを学びにロンドンに留学していた当時、バイヤーに憧れていました。今でさえ少し変わってきてはいますが、当時のファッションビジネスというのはとにかく「流行を作り出す事」でした。まずトレンドのカラーがあり、それに基づいて様々なブランドがコレクションを展開し、そのコレクションを見てさらに多くのブランドやメーカーが流行にそった洋服を作っていく。

これを1年半から2年くらいのサイクルでハイブランドからストリートブランドへ伝えていくという流れでした。バイヤーにも色々あると思いますが、大半はこのサイクルを早い段階からキャッチし、一般の人に伝えていくのが仕事です。私はこのシステム的な「ファッション」に抵抗を感じ、ファッションの勉強を続けることを悩みました。

逆に今まで興味の薄かったファッションのアート的な側面に惹かれ始めました。学校では週に2回ほど3時間のドローイングレッスンがありました。ドローイングは様々な画材を用いて手を動かすことで、頭を柔らかくし、発想を柔軟にしてくれます。私は小さい頃から作ることが大好きでしたが、美術の成績がいまいちで、美術や絵を描くことに苦手意識がありました。

でもドローイングのレッスンでは利き手と反対の手で描いたり、目を瞑って描いたりと実験的に描くことが多く、上手い下手は全く関係ありませんでした。それよりも何もない様に思われるものから、その人なりの形に作り出すことや、見えていない部分を発見させるトレーニングの様な感じでした。

このレッスンが私が大切にする「その人にしか出来ないものづくり」の根本的な考え方を教えてくれたと思っています。

 

あなたがものづくりに求めるものはなんですか?

あなたがものづくりをする目的はなんですか?これは人によって違うと思います。最初に述べたファッションの様に、たくさんの人に届けるためにするものづくりもあれば、私みたいに自分にしか出来ない表現を追求したい人もいるでしょう。ただただ作っている時間が心地よくて好きという人もいると思います。

答えは人それぞれでいいと思います。これをきっかけになぜあなたはものづくりに興味があるのか、立ち止まってみることで、未来のものづくりとの関わり方を改めて考えて頂けたら嬉しいです^^

 

ウィービング作家・講師をしています。2015.7~2018までに500名以上がワークショップに参加。2019年はブログやYouTubeで情報をシェアしながら東南アジアの国々でウィービングしています。